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顎骨壊死は予防出来る?
たまには固い話を。

ここ数年、歯科業界を震撼させている、非常に怖い怪談のようなお話があります。それは、単に歯を抜いただけであごの骨が腐ってゆき、何を持ってしても進行を止めることが出来ないという恐ろしい話です。

そしてこれは実は単なる都市伝説のようなものではなく、実際に国内でこの二年間に250を超える症例が報告されているのです。

その原因は、ビスフォスフォネート製剤という薬。整形外科領域で最近よく使われる「骨粗しょう症」の薬です。

大井歯科医院でも問診表の最初でこの薬の使用歴をお聞きしておりますが、実際に「骨粗しょう症」には非常に良く効く特効薬で、多くの患者様がこれをお使いになっています。又この薬の注射薬は、悪性腫瘍による高カルシウム血症や、乳がんの骨転移などにも非常に良く効くそうです。

しかし残念な事に我々歯科領域にとっては、恐ろしくて一切歯を抜くことができなくなるという悪魔のような薬です。

もちろんこの薬を飲んだことのあるすべての患者様がそういう事が起こるわけではありません。経口薬では1万人に一人、注射薬では100人に一人といわれても、たまたま自分が歯を抜いた患者様がそういう目に遭えば、それはたいへんなことです。
そんなわけで、今まで抜く必要のある歯も薬でごまかすとか時期をずらすとかの、逃げの一手を打つ医院が多かったと思います。

しかし、この問題に真っ向から取り組んだのが阪大口腔外科時代にお世話になった我が恩師、阪大歯学部生化学教授の米田先生を委員長とする対策チームでした。
いよいよ日本骨代謝学会と日本骨粗しょう症学会共同で、年内に服用と対応の指針をまとめたポジションペーパーを発表するそうです。
もちろんこれにより、ビスフォスフォネート製剤が顎骨壊死を引き起こす事が無くなるわけではありませんが、今のようにビスフォスフォネートを服用した既往のある方の抜歯処置をすべて拒絶するような、極端な対応をする医院はかなり減ってくるのでは無いでしょうか。

また、ビスフォスフォネート製剤服用者に対する抜歯等の対処の方法も、徐々に確立されてきております。当院でもそのような方法に乗っ取って、抜歯処置の必要な患者様には対応を行っております。

なぜこういう事が起こるのかはまだ解明されておりませんが、一条の光が差してきたような気がします。
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